植物1株あたりの育成ライト消費電力は?実数値を使ったサイジングガイド
ワット数は間違った単位だが、誰もがそれで商品を選ぶ。ワットをPPFD、DLI、実際の光子数に変換する方法を、レタス・バジル・トマトなど作物別に解説する。
BY ROOTLESS FARM
要点
箱に書いてあるワット数は忘れよう。植物を育てる数値はµmol/J(効率)——消費1ワットあたりにランプが放出する使用可能な光子数だ。100Wのランプが2.7 µmol/Jなら270 µmol/sのPARを出す。同じ100Wで1.2 µmol/Jなら120 µmol/s。同じワット数でも光合成量は2倍以上違う。
わかりやすいサイジングの目安:葉物野菜には栽培面積1平方フィートあたり≥ 2.5 µmol/JのLEDで20〜30W。果菜類は35〜50W/ft²。DLIとスペクトルについては、リンク先の記事を参照。
「1株あたりのワット数」が間違った単位である理由
12インチのレタス1株と5フィートのトマト1株はどちらも「1株」だが、必要な総光子数は5倍異なる。水耕栽培の照明は栽培面積でスケールし、株数ではない。2×4フィートのテントに8株のレタス、4株のバジル、2株のトマトが入る——面積は同じ、ランプも同じでいい。
つまり実践的な問いは:1平方フィートの栽培面積あたり何ワットの高効率LEDが必要か?
簡単な計算式
チェーンはこうなる:ワット → µmol/s(PAR) → 栽培面積上のPPFD → 日長に対するDLI。
- ワット(入力電力): ウォールメーターの読み値。箱の数値はしばしば「相当ワット数」。スペックシートを使うこと。
- 効率(µmol/J): 1ジュールの電力あたりに放出されるランプの光子数。モダンLED:2.3〜3.0 µmol/J。旧型HPS:1.5〜1.8。安価なブルーパープルLED:1.0〜1.5。
- PPF(µmol/s): ワット×効率。100Wで2.7 µmol/J = 270 µmol/s。
- PPFD(µmol/m²/s): PPFをm²の照射栽培面積で割る。270 µmol/sのランプを0.4 m²(約4 ft²)に当てると≈ 675 µmol/m²/s(ロス前)。
- DLI(mol/m²/day): PPFD × 日長(秒) ÷ 1,000,000。
DLI計算ツールで計算できる。以下は購入者向けのショートカット。
作物別のワット数目安(≥ 2.5 µmol/J LEDを使用)
| 作物 | 目標PPFD(µmol/m²/s) | 日長 | DLI(mol/m²/day) | W/ft²(LED) |
|---|---|---|---|---|
| マイクログリーン | 150〜250 | 16時間 | 9〜14 | 12〜18 |
| レタス、葉物野菜 | 200〜300 | 16時間 | 12〜17 | 20〜25 |
| バジル、ハーブ | 300〜400 | 16時間 | 17〜23 | 25〜32 |
| イチゴ | 350〜500 | 14時間 | 18〜25 | 30〜38 |
| キュウリ | 400〜600 | 14時間 | 20〜30 | 35〜45 |
| トマト(生長期) | 400〜500 | 16時間 | 23〜29 | 32〜40 |
| トマト(結実期) | 600〜900 | 12時間 | 26〜39 | 45〜55 |
| ピーマン | 500〜700 | 14時間 | 25〜35 | 40〜50 |
この数値の前提条件:
- 効率2.5〜2.7 µmol/JのモダンLED。
- キャノピー端と反射による約20%のロス。
- ランプからキャノピーまで18〜24インチの距離。
旧型HPSや低効率LEDの場合、W/ft²に1.5〜1.8を掛ける。
計算例
キッチンカウンターに置くバターヘッドレタス1株。
- 栽培面積:約0.5 ft²。
- 目標:250 PPFD × 16時間 = 14 DLI。
- 必要なLED:0.5 ft² × 22 W/ft² = 11 W。
- 購入:2.5 µmol/Jの20Wデスク用育成ライト。完了。総費用2,500円程度。
レタスとハーブの2×2フィートテント。
- 栽培面積:4 ft²。
- 目標:250〜350 PPFD × 16時間 = 14〜20 DLI。
- 必要なLED:4 ft² × 25 W/ft² = 実際の消費電力100 W。
- 購入:2.7 µmol/JのクオンタムボードLED100W(Mars Hydro TS1000、Spider Farmer SF1000クラス)。
トマト2株(結実期)用の2×4フィートテント。
- 栽培面積:8 ft²。
- 目標:700 PPFD × 12時間 = 30 DLI。
- 必要なLED:8 ft² × 50 W/ft² = 実際の消費電力400 W。
- 購入:2.7+ µmol/JのLEDバーフィクスチャー400W(Spider Farmer SF4000、ViparSpectra XS4000クラス)。
効率が実際に意味すること
2つのランプがどちらも200Wを消費。ランプAは1.5 µmol/J、ランプBは2.7 µmol/J。
- ランプA:300 µmol/s。葉物野菜約3 ft²をカバー。
- ランプB:540 µmol/s。葉物野菜約6 ft²、または果菜類3 ft²をカバー。
同じワット数、同じ発熱、同じ電気代。安いランプは収穫のロスを考えると結局高い。
実用的な効率の下限:2026年現在、2.3 µmol/J未満は買わないこと。それ以下は旧在庫か偽装表示のどちらかだ。
効率の確認方法
- スペックシートを最初に確認。 信頼できるブランドはPPF(µmol/s)、入力ワット数、µmol/Jを公開している。「相当ワット数」や「ルーメン」しか表示しないブランドは、育成ランプではなく家庭用ランプだ。
- サードパーティテスト。 Migro、GrowLightMeter.com、PARsourceが独立した測定値を公開している。購入前に照合すること。
- 不審な数値に注意。 400Wランプで4 µmol/Jという表示は世界記録クラスの効率であり、ほぼ確実に偽物だ。
- PARマップ。 良いブランドは複数の吊り下げ高さで、意図したカバレッジエリア上のPPFDヒートマップを公開している。ヒートマップがない = データがない。
HPSがまだ機能する場合(そしてLEDが間違いの場合)
HPSは約1.7 µmol/Jでワット当たりのモダンLEDに劣る。しかし:
- HPSはより多くの遠赤色とIRを放射——後期開花結実作物に有用。
- HPSはキャノピーを加熱するため、寒冷な部屋では利点になることがある。
- ワット当たりの設備費が低い(中古の600W HPS + バラスト = 約8,000円)。
暖房なしのガレージで冬にトマトを育てるなら、600W HPSが依然として正解の場合がある。それ以外のケースでは2026年においてLEDが勝る。
よくある間違い
- 「光を広げるために」ランプを高く吊るしすぎる。 PPFDは距離の2乗に比例して低下する。36インチでのランプは24インチと比較して約半分のPPFDしか出さない。仮定せず測定すること。
- 合計ワット数を買うがPPFDマップを確認しない。 16 ft²上の「500W LED」は、光学系によって400 PPFDか250 PPFDかが異なる。PARマップを要求すること。
- 「相当ワット数」を実際の消費電力と混同する。 壁から200Wを引く「1000W LED」は200Wのランプだ。それだけ。
- 果菜類に対してランプが小さすぎる。 トマトとピーマンは光子を大量に消費する。レタス用のサイズのランプではビー玉大のトマトしか育たない。
次のステップ
特定のランプを選ぶなら、育成ライトの選び方を参照。照射量の計算はPPFDとDLIの解説を読んで、DLI計算ツールに数値を入力してみよう。スペクトルについては水耕栽培のための光スペクトルを参照。
FAQ
4 entries- Q01植物1株あたり何ワットのLEDが必要ですか?
- 不適切な質問だが、実用的な答えとしては、葉物野菜には有効LEDの20〜30W(2.5+ µmol/J)を1平方フィート当たり、果菜類には35〜50W/ft²が目安。株数より栽培面積が重要。
- Q021000W HPSと1000W LEDは同じですか?
- ワット数は同じ。しかし使える光子数は異なる。2.7 µmol/JのモダンLEDは、1.7 µmol/Jの1000W HPSより約50%多くのPARを出す。同じワット数のLEDはHPSの1.5倍の性能がある。
- Q03フルスペクトルが必要ですか?それともショップ用LEDでいいですか?
- 安価な5000Kショップ用LEDは十分な数を集めて約12インチ以内に設置すればレタスやハーブに使える。150 PPFD未満では何も正常に育たない。球数でなくW/面積の計算で考えること。
- Q04箱に300Wと書いてあるが、実際の消費電力は150Wです。どちらが正しいですか?
- 150W。ほとんどのLEDランプは「相当ワット数」またはダイオードのピークワット数で表示され、実際の消費電力ではない。Kill-A-Wattメーターを使うか、スペックシートの「入力電力」を確認すること。それが実際の数値。