水耕栽培における肥料焼け — 症状と対処法
元気そうな植物の葉先が茶色くパリパリになっている場合は、ECが高すぎることによる肥料焼けです。タンクを希釈して5日以内に回復させましょう。
BY ROOTLESS FARM
簡単な回答
濃い緑でいきいきとした植物の葉先が左右対称に茶色くパリパリになっている場合 = 肥料焼けで、ほぼ確実に作物の許容値を超えたECが原因です。培養液の過剰添加・蒸発による濃縮・塩分の蓄積が引き金になります。RO水で希釈して作物の目標ECに戻し、pHを再確認すれば、24時間以内に新たな焼けは出なくなります。
症状
- 複数の葉に同時に現れる茶色いパリパリとした壊死した葉先
- 左右対称のパターン — 葉の両サイドが同様に影響を受ける
- 葉本体は濃い緑で元気な状態を保つ
- 生長が最も早い大きな葉から先に葉先が焦げる
- 葉の端がやや下向きにカールする
- 葉脈間のパターンや斑点はなし [OSU-NUT-01]
原因
肥料焼けは、蒸散流が集中して葉先の細胞を脱水する葉縁部での浸透圧ダメージです。原因は培養液のECが作物の許容範囲を超えることです。主な失敗パターンは3つあります。まず、特定の作物がラベルの60〜80%程度の濃度でよいところを、一般的なレシピ通りの全量で使用するケースです。次に、蒸発によるタンクの濃縮 — 乾燥した屋内環境では40Lのタンクが週5L蒸発し、栄養素を追加しなくてもECが12%上昇することがあります [OSU-NUT-01]。3つ目は、純水ではなく濃縮培養液で補給し続けることでECが徐々に上昇するケースです。
診断
| チェック項目 | 目標値 | 焼けのサイン |
|---|---|---|
| EC | 作物の目標値 | 目標値 +0.3 mS/cm 以上 |
| pH | 5.8〜6.2 | 通常は範囲内 |
| 葉の活力 | 緑でつやあり | 濃い緑 + パリパリの葉先 |
| タンクの使用期間 | 10日以内 | 14日以上(濃縮状態) |
| 葉先のパターン | なし | 左右対称の茶色い葉先 |
最も有効な診断はECを測定して作物の既知の許容値と比較することです — レタス0.8〜1.2、トマト2.0〜3.5、イチゴ1.2〜1.8 [UCD-LET-01]。カルシウムによるチップバーン(内側の包まれた葉・正常なEC・低湿/弱気流環境)と区別してください — 肥料焼けはECが高い状態で露出した古い葉に現れます。
対処法
- ECを測定し、作物固有の上限値と比較する。
- 希釈量を計算する: ECが2.0でターゲットが1.4の場合、タンク容量の30%をRO水に置き換える。
- RO水または蒸留水を補充してECが目標値になるまで加える。再測定前によくかき混ぜる。
- pHを再確認 — 希釈により緩衝能力が低下してpHがドリフトすることが多い。5.8〜6.2に再調整する。
- 重度の場合(ECが目標値の2倍以上): タンクを完全に排水し、目標ECで新鮮な培養液を調合する。
- 焼けた葉先をトリミングするのは見た目のためのみ — 再生しないが、ダメージはそれ以上広がらない。
予防
タンクのECを2日おきに測定する。乾燥した環境では週1回では遅すぎます。ECが目標値に戻るまで常に純水で補給し、ECが目標値を下回った場合にのみ濃縮培養液を追加する — 逆にしてはいけません。EC読み値が良好に見えても微量元素のドリフトは蓄積されるため、EC測定値に関わらず7〜10日ごとにタンクを交換する [GROWER-LOGS]。新しい作物の最初の2週間は、ラベル強度の70%で運用し、葉先焼けがないことを確認してから濃度を上げてください。
FAQ
4 entries- Q01肥料焼けとチップバーン(カルシウム欠乏)の見分け方は?
- 肥料焼けは、ECが目標値を超えていて濃い緑で元気な葉の先端に左右対称の茶色いパリパリが現れます。カルシウムによるチップバーンは、ECが正常でも蒸散量が少ない環境で、内側の包まれた葉に発生します。
- Q02肥料焼けからの回復はどのくらい早いですか?
- ECを作物の目標値まで下げれば、24時間以内に新たな焼けが出なくなります。既に焦げた葉先は茶色のままですが、新しい葉は5〜7日でクリーンに生長します。
- Q03ECはどのくらい高いと危険ですか?
- 作物によって異なります。レタスはEC 1.6 mS/cm以上で焼け、トマトは3.5以上、イチゴは1.8以上で焼けます。必ず作物の生育ステージに応じた適正範囲を参照してください。
- Q04水を足すだけで希釈できますか?
- はい。ECが目標値まで下がるようにRO水や蒸留水を加えるのが標準的な対処法です。希釈するとpHの緩衝能力が低下するため、希釈後にpHを再確認してください。