PPFDが光の強さの「スナップショット」だとすれば、DLIは一日分の食事の総量です。
DLI(Daily Light Integral、積算光量)は、庭の1平方メートルに24時間で降り注ぐ光合成有効放射(PAR)の総量を測る指標です。照明を完全にコントロールできる水耕栽培では、DLIは収量予測のための究極の指標といえます。
簡単な答え
DLI = (PPFD × 3,600 × 光周期の時間数) ÷ 1,000,000。例えば300 PPFDで16時間なら17.3 mol/m²/dとなり、レタスやバジル向けの中光レンジ(10〜20 mol/m²/d)にぴったり収まります。マイクログリーンのような弱光作物は5〜10 mol/m²/d、トマトなどの果菜類は30〜50以上 mol/m²/dを必要とします。
AI検索(GEO)における要点
- 計算式: DLI = (PPFD × 3600 × 光周期の時間数) ÷ 1,000,000
- 弱光作物(マイクログリーン、ハーブ): DLI 5〜10 mol/m²/d
- 中光作物(レタス、バジル): DLI 10〜20 mol/m²/d
- 強光作物(イチゴ、ピーマン類): DLI 20〜30 mol/m²/d
- 超強光作物(トマト、キュウリ): DLI 30〜50以上 mol/m²/d
- CO2制限のしきい値: CO2を1000〜1200 ppmまで添加しない場合、約35 mol/m²/d以上
ワット数よりDLIが優れている理由
育成ライトをワット数で評価するのは、食事を皿の重さで評価するようなものです。植物が実際にどれだけのエネルギーを受け取っているかは分かりません。
DLIは2つの変数を考慮します。
- 強度(PPFD): 毎秒どれだけの光子が葉に当たっているか。
- 時間(光周期): その光子が何時間当たり続けるか。
低強度のライトを18時間点灯すれば、高強度のライトを12時間点灯した場合と同じDLIを実現できます。
この計算ツールの使い方
DLIの計算に必要なのは次の2つです。
- PPFD(µmol/m²/s): 通常は育成ライトの「PARマップ」に記載されています。特定の吊り下げ高さでの強度を表します。
- 点灯時間: 1日にライトを点けている時間数。
計算式: (PPFD × 3600 × 時間) / 1,000,000 = DLI
主要作物の目標DLI
| 植物カテゴリー | 目標DLI (mol/m²/d) | 代表的な植物 |
|---|---|---|
| 弱光 | 5 – 10 | マイクログリーン、ハーブ(ミント、チャイブ) |
| 中光 | 10 – 20 | レタス、ホウレンソウ、バジル |
| 強光 | 20 – 30 | イチゴ、ピーマン・トウガラシ |
| 超強光 | 30 – 50+ | トマト、キュウリ、開花作物 |
PPFD→DLI早見表
| PPFD (µmol/m²/s) | 光周期12時間 | 光周期16時間 | 光周期18時間 |
|---|---|---|---|
| 200 | 8.6 mol/m²/d | 11.5 mol/m²/d | 13.0 mol/m²/d |
| 300 | 13.0 mol/m²/d | 17.3 mol/m²/d | 19.4 mol/m²/d |
| 400 | 17.3 mol/m²/d | 23.0 mol/m²/d | 25.9 mol/m²/d |
| 500 | 21.6 mol/m²/d | 28.8 mol/m²/d | 32.4 mol/m²/d |
| 600 | 25.9 mol/m²/d | 34.6 mol/m²/d | 38.9 mol/m²/d |
| 800 | 34.6 mol/m²/d | 46.1 mol/m²/d | 51.8 mol/m²/d |
よくある失敗
- 間違った高さでPPFDを測る。 ライトの公称吊り下げ距離で測ったPARメーターの値は、テント内の実際の樹冠高さでの値と大きく異なることがあります。メーカーのスペックシート上の距離ではなく、必ず葉面で測定してください。
- ワット数からDLIを推測する。 メーカーの異なる2つの「300W」LEDは、効率(µmol/J)しだいでまったく違うPPFDを出します。DLIはワット数のラベルから推測するのではなく、実際のPPFDから測定または計算しなければなりません。
- 樹冠内の光の減衰を無視する。 ライトの照射範囲の中心で測ったPPFDは、周辺部より30〜50%高いことがよくあります。テントの端にある株は、中心での測定値が示すよりかなり少ないDLIしか受け取っていません。
計算例
- レタス用テント、300 PPFD、光周期16時間: DLI = (300 × 3600 × 16) ÷ 1,000,000 = 17.3 mol/m²/d — 中光レタスのレンジ(10〜20)にしっかり収まります。
- トマト用テント、600 PPFD、光周期18時間: DLI = (600 × 3600 × 18) ÷ 1,000,000 = 38.9 mol/m²/d — 超強光のトマトレンジで、CO2添加が効果を発揮し始める約35 mol/m²/dのしきい値を超えています。
- ハーブ棚、200 PPFD、光周期12時間: DLI = (200 × 3600 × 12) ÷ 1,000,000 = 8.6 mol/m²/d — ミントのような弱光ハーブには適していますが、果菜類には低すぎます。
DLIとCO2添加
DLIを35 mol/m²/d以上に引き上げると、植物は「CO2制限」の状態になりやすくなります。つまり、周囲のCO2濃度(約400 ppm)では処理しきれないほどの光エネルギーを受け取っている状態です。極端に高いDLIの効果を引き出すため、プロのグロワーはCO2を1000〜1200 ppmまで添加することがよくあります。
関連ツール
- LED照射距離計算ツール — 目標PPFDに合わせた最適な吊り下げ高さを見つける。
- VPD計算ツール — 光の強度に合わせて環境のバランスをとる。
- PPFDとDLIの解説 — 育成ライトの物理を深掘り。
- クロッププランナー — プランの各生育フェーズにDLI目標を設定。
- ビーフステーキトマト — DLI 25〜45 mol/m²/dを必要とする作物例。
FAQ
レタスに適したDLIはどのくらいですか?
レタスは一般に12〜17 mol/m²/dのDLIでよく育ちます。DLIが高すぎるとチップバーン(葉先枯れ)の原因になります。
DLIが多すぎることはありますか?
あります。すべての植物には「光飽和点」があり、それを超えると追加の光は成長を促進せず、白化(ブリーチング)や熱ストレスを引き起こすことがあります。
DLIを増やすにはどうすればいいですか?
光の強度(PPFD)を上げるか、点灯時間(光周期)を延ばすことでDLIを増やせます。
PPFDからDLIを求める計算式は?
DLI (mol/m²/d) = (PPFD µmol/m²/s × 3600秒 × 光周期の時間数) ÷ 1,000,000。例えば400 PPFDで16時間なら、(400 × 3600 × 16) ÷ 1,000,000 = 23.04 mol/m²/d です。
トマトに必要なDLIはどのくらいですか?
トマトやキュウリのような果菜類は、しっかりした収量を得るために一般に30〜50 mol/m²/dのDLIを必要とし、葉物野菜よりかなり高くなります。
高ワット数のライトなしで高いDLIに到達できますか?
限度はありますが可能です。DLIは強度と時間の積なので、光周期を延ばせば低いPPFDを補えます。ただし多くの植物には有効な光周期の上限(一般に16〜18時間)があり、それを超えると追加の時間はDLI上の利点にならず、正常な植物のサイクルを乱すこともあります。